国民健康保険料の具体的な算出方法は「国民健康保険の保険料っていくらになるの?」を見てもらうとして、ここでは国民健康保険の保険料率について解説していきます。
国民健康保険料の基になるのが「前年の所得」になります。
その前年の所得から33万円の基礎控除引いた額を基に「医療分」と「後期高齢者支援金分」と「介護分」の保険料がのしかかってきます。(介護分は40歳 から64歳の介護保険第2号被保険者のみ)
そしてそれぞれの項目で「所得割」「資産割」「均等割」「平等割」によって算出されますが、各市区町村によって保険料率が異なりますので、同じ所得であっても住んでいる場所が異なれば保険料も変わってきます。
会社の健康保険の様に微々たる違いであればそれほど気にする必要もありませんが、国民健康保険の保険料は住んでいる地域や条件によっては2倍以上変わってきます。
私の住んでいる兵庫県を例に挙げてましょう。
項目 | 神戸市 | 宝塚市 |
---|---|---|
医療分(所得割) | 11.03% | 5.7% |
医療分(均等割) | 23,350円 | 18,500円 |
医療分(平等割) | 25,900円 | 22,800円 |
支援分(所得割) | 3.38% | 2% |
支援分(均等割) | 7,400円 | 8,600円 |
支援分(平等割) | 8,200円 | 7,000円 |
介護分(所得割) | 3.50% | 2.3% |
介護分(均等割) | 8,060円 | 9,600円 |
介護分(平等割) | 6,470円 | 5,200円 |
平成26年度(平成26年4月~平成27年3月)
この場合で所得300万円(30代独身・固定資産税0円)で考えてみます。
30代だと介護分が徴収されないので、医療分と支援分に対して保険料がかかってきます。
計算すると、
- 神戸市:509,750円(年間)
- 宝塚市:287,900円(年間)
同じ所得なのに宝塚市に比べて神戸市の方がおよそ2倍の保険料になっています。
なぜ地域によって保険料率が異なるのか?
国民健康保険の保険料は自治体によってそれぞれ算出されるので、先ほど例に挙げた神戸市と宝塚の様に、同じ所得でも2倍近い差が出てしまうこともあります。
税金も住んでいる地域によって異なりますがここまで変わることはありません。
ではなぜ地域にって保険料率がこれほどまで違うのか?
その理由は大きく分けて3つ考えられます。
1.保険給付費
保険給付費とは、被保険者が病気やケガなどで医師の診療を受けた際に給付されるお金のことです。
健康保険に加入していれば病院の治療費って7割負担してくれますよね?このことです。
この保険給付費が高くなればなるほど自治体にかかる負担も大きくなるので、保険料率を上げて多くの保険料を徴収しなければいけなくなります。
病院によく行くと想定される高齢者が多い地域ほど保険料率は高くなります。
2.所得の違い
国民健康保険料の基となる所得が多い程、より多くの保険料を徴収できるので保険料率を下げても運営することができます。
3.補助金
運営している自治体に対して国から多くの補助金が出ていれば住民一人当たりの負担が軽くなるので保険料率は下がります。
最後に・・・
極論ですが、住民皆が健康な人ばかりでほとんど病院に行くことがなければ、保険料は限りなくゼロにすることもできます。
要は需要と供給のバランスで保険料率は決定されているんですね。