失業給付中は基本手当(失業保険)が支給されるとはいえ、前職の給料の5~7割程しか支給されないし、数ヶ月も経てば給付期間が終わってしまうことを考えると、転職活動と並行してアルバイトなどをして、少しでも生活の足しにしようと考えている人も少なくないでしょう。
しかしここで問題が・・・
失業給付中にアルバイトをすると基本手当に影響がでるということ
失業給付中にアルバイトをして収入を得てしまうと、就職・就労・内職のいずれかに該当してしまい、今後受け取れる基本手当が減額されたり支給がストップしてしまう可能性があります。
あれっ、そもそも失業給付中はアルバイト禁止じゃなかったっけ?
ちゃんと申告すればアルバイトをしても問題ありません。
よくネットとかで、失業給付中はアルバイト禁止と言っている人は、申告せずにアルバイトをすることが禁止と言っているだけです。
アルバイトをしながらでも基本手当を満額もらう方法
アルバイトをしながらでも基本手当を満額支給してもらう方法は大きく分けて2つあります。
給付時期を遅らせる
まず最初に、就職や就労をした場合(1日4時間以上の労働など)は、その働いた日に関しては基本手当が支給されることはありません。
しかし、厳密には支給されないのではなく、支給が後回しになるだけなので失業状態が長く続けば、いずれ全額受け取ることができます。
但し、給付期限は原則として失業してから1年間と定められているので、その後回しにされた日が失業から1年を超えてしまうのであれば失効されるので注意が必要です。
ですので、下手に短い時間アルバイトをして内職扱いにして基本手当を減額されるよりも、長時間働いて就労扱いにして、後で基本手当を満額支給してもらう方が得する可能性があります。
1日の収入を低くする
収入から控除額(1334円)を差し引いた額と基本手当を合せた額が、賃金日額の80%未満であれば、基本手当を全額支給してもらうことが可能です。
※控除額の金額は収入に関係なく一律ですが、毎年8月に見直しされる
但し、内職扱いであることが条件になります。(1日4時間未満の労働など)
例1:24歳で賃金日額が6,000円の場合(A君)
基本手当の日額が4,442円になります。
4,442円+バイト代-1334円=6000円*80%
バイト代=1,692円
A君の場合、1日のバイト代が1,692円以内であれば全額支給されることになります。
例2:24歳で賃金日額が9,000円の場合(B君)
基本手当の日額が5,514円になります。
5,514円+バイト代-1334円=8,000円*80%
バイト代=2,220円
B君の場合、1日のバイト代が2,220円以内であれば全額支給されることになります。
2つの例を見て頂ければ分かりますが、賃金日額が多い程(前職の給料が多い程)、全額支給されるバイト代の額は高くなります。
B君の場合は2,220円以内なので、時給700円のバイトを3時間しても全額支給されることになります。
内職扱いで収入が増えれば減額、もしくは支給されない
短時間労働などで内職扱いにされ、尚且つ中途半端に収入を得てしまうと、基本手当が減額されるので一番損をする可能性があります。
具体的に説明しましょう。
内職扱いの場合、基本手当は内職の収入に応じて「全額支給」「減額支給」「支給なし」のいずれかに該当することになります。
- 全額支給=収入から控除額を差し引いた額と基本手当を合せた額が賃金日額の80%未満
- 減額支給=収入から控除額を差し引いた額は賃金日額の80%未満だが、基本手当を入れると賃金日額の80%を超える
- 支給なし=収入から控除額を差し引いた額が賃金日額の80%を超える
文章だと分かりにくいので図にします。
全額支給のパターンは何も問題ありません。支給なしの場合でも、支給されない分は後回しになるので、就職するまでまだ時間があり、尚且つ給付期間の1年間がまだ先であれば、給付時期が後回しになりますが、損をすることはありません。(就職や就労と同じ考え)
しかし、減額支給の場合は、減額された基本手当を受けとることはできますが、その時点で1日分の基本手当の給付が終了するので後で減額分を受けるとことも出来できません。
そう考えると一番損をする可能性があります。
減額支給でも受け取った方がいいパターン
- 減額されてもいいのですぐにでも基本手当が欲しい人
- すぐに転職先を見つける予定の人
早期に就職先を見つけたらその時点で基本手当の給付はストップしますが、条件さえクリアできれば再就職手当や就業手当を受け取ることができます。
賃金日額や基本手当は「雇用保険受給資格者証」に記載されているので確認して下さい。まだ失業前などで雇用保険受給資格者証を貰ってなくて分からない場合は、「失業手当って毎月いくら貰えるの?」で確認して下さい。