失業手当を給付してもらう際に一番気を付けなければいけないのが「不正受給」に関してです。
雇用保険受給説明会の時にも、頭が割れるぐらいしつこく忠告される不正受給ですが、ここでは更に頭が割れるぐらい忠告してみます。
私が運営している他の転職支援サイトでも、不正受給に関する記事を書いているページが圧倒的に観覧数が多いです。
それほど皆さん失業手当の「不正受給」に関して興味を持っているということです。
不正受給に該当するケース
- 離職票の内容に偽りがある
- 収入があったのにも関わらず申告していない、または過少申告
- 自営業を始めたのにも関わらず申告していない(準備中も含む)
- 求職活動実績の虚偽報告
- 就職していないのに就職したと偽って再就職手当や就業手当を支給してもらう
- 会社の役員に就任したのに申告しなかった
- 労災の休業給付や健康保険の傷病手当などの給付を受けているにも関わらず申告しなかった
この中で皆さんが該当しそうな(興味がある)内容としては、間違いなく②でしょう。
アルバイトなどをして収入を得た際は、4週間に1回訪れる失業認定で失業認定申告書にて申告しなければいけません。
詳しくは「失業認定に必要な失業認定申告書の書き方」を参照して下さい。
しかし、アルバイトの申告をしてしまうと、働いた時間や収入によっては基本手当が減額、または先延ばしになってしまう可能性があるので、ハローワークに申告せずアルバイトをしている失業者も多いのが現状です。
不正受給がバレるケース
- 雇用先で加入する雇用保険から
- 雇用先の給料から払われる税金から
- 自分で言っちゃう
- ハローワークの職員に目撃される
- 密告
1.雇用先で加入する雇用保険から
アルバイト先で雇用保険に加入すると、その労働履歴が残るので、そこからバレる可能性があります。
2.雇用先の給料から払われる税金から
アルバイト先で支払われた給料からバレる可能性については極めて低いと考えられます。
その理由は、ハローワークと税務署の間で情報の共有をしていないからです。
ハローワークは厚生労働省、税務署は国税庁が管轄しているので、その間で情報のやりとりをすることは個人情報保護法の観点からなかなか難しいと考えられます。
可能性があるとすれば、ハローワークの職員がその受給者が不正受給していると察知して税務署に問い合わせて照合するかですが、そもそも何の証拠も無く不正受給をしていると察知するのはエスパーじゃない限り分からないですよね。
不正受給に関して税務署からハローワーク側に調査がいくことも、業務の管轄外になるので有り得ないだろうし。
市役所には両者の情報がいくので、そこからバレる可能性もありますが・・・どうでしょう。
3.自分で言っちゃう
おバカな話ですが、失業認定の面談の際に、アルバイトをしていることをうっかり言っちゃう人がいるようです。
これから申告する分だとうっかり言ってもそこで訂正すれば問題ありませんが、もう認定された過去の分で口を滑らせて言っちゃうと不正受給になります。
ただ、この時点ではアルバイトをしていた確固たる証拠がありませんので、話術があれば切り抜けられる可能性もあります。(笑)
4.ハローワークの職員に目撃される
アルバイトをしている所をハローワークの職員に目撃されるケースも僅かながらあります。
その際は、運が悪かったと諦めましょう。
5.密告
不正受給がバレる一番の理由がダントツで密告です。
逆に言えば、密告以外で不正受給がバレる可能性はかなり低いと考えられます。
そして密告者の大半が前の会社の人間です。自分では嫌われていないと思っていても周りはあなたをどう思っているのか分からないので、むやみやたらに不正受給していることを自慢げに言いふらすことは避けて下さい。
特に部下や後輩には何かと根に持たれている可能性があるので、気を付けましょう。
一昔前までは、自分の口で言わなければ周りに知られることはありませんでしたが、今はTwitterやFacebookなど自分の気持ちを気軽に吐き出せるツールが充実しているので注意が必要です。
不正受給がバレるとどうなる?
不正受給者の取り締まりは年間1万件で、受給者のおよそ0.5%とも言われています。(ネット情報なので真意の程は不明)
では、不正受給がバレてしまうとどういった制裁を受けるのでしょう。
- 支給停止
- 返還命令
- 納付命令
- 滞納金の発生
- 財産の差し押さえ
- 詐欺罪で刑事処罰
それでは順を追って説明していきましょう。
支給停止
給付期間が残っていたとしても、不正発覚後は全ての給付がストップします。
返還命令
不正発覚以前に受給された給付金は全て返還しなければいけません。
納付命令
恐らく、一番の制裁がこれです・・・
不正発覚後に受給された給付金の2倍に相当する金額を納めなければいけません。
ですので、返還分と合わせると約3倍の金額を払わなければいけません。
(俗にいう3倍返し)
滞納金の発生
不正受給をした翌日から滞納金が発生します。
ちなみに延滞金は年率5%です。
財産の差し押さえ
支払いが滞ると、財産の差し押さえの対象になります。
詐欺罪で刑事処罰
組織ぐるみや悪質と判断された場合は、詐欺罪として刑事処罰される可能性があります。
実際に毎年、逮捕者が出ています。
納得いかねーよ!そんなときは・・・
処分に納得がいかない場合は、処分のあったことを知った日から60日以内に「雇用保険審査官」に審査を申し出ることができます。
住所や連絡先は「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」に掲載しているので確認してみて下さい。
ただ、常識的に考えて「そんなの知らなかった」「勘違いしていた」では通用しないと思います。(それで通るなら、みんな雇用保険審査官に申し出る・・・)
ですので、雇用保険審査官に審査を申し出る場合は、ハローワーク側に落ち度があったこと、やむを得ない事情で不正受給をしてしまったことを立証できる材料が必要になるでしょう。
(例えば職員との会話を録音してるとか・・・)
アルバイトをしても満額もらえることもある
そもそも、そんな不正をしなくてもアルバイトをしていても満額もらえる可能性があります。