失業保険の定義の一つとして、「失業者に対して、就職活動に専念できるように就職活動中の生活費を援助する」ことが挙げられます。
そう考えると、自営業は就職では無いので、失業保険の定義から外れますので支給されないと考えるのが普通です。
実際に、「失業手当の不正受給は後でバレるって本当?」でも解説していますが、自営業を始めた場合は勿論、自営業を始める為の準備中であっても基本手当の支給がストップしてしまいます。
「んじゃー、自営業を始めたヤツは失業手当が貰えないじゃん!!」と思われるかもしれませんが、そうとも限りません。
基本手当は貰えないが他の手当なら貰えるかも・・・
「失業手当=基本手当」と思われている人も多いかもしれませんがそうでは無く、厳密には失業手当の中に基本手当があります。
失業手当を貰う人の大半が基本手当を目当てにしているのでそう思われるのも仕方ないですが・・・
再就職手当なら貰えるかも・・・
再就職手当とは早期就職者を対象にした失業手当で、一定条件を満たすことで、基本手当日額の残日数×50%か60%の手当を一度に支給してもらうことができます。
再就職手当の詳しい説明は「転職先がすぐに決まったら再就職手当を貰おう」を参照してもらうとして、再就職手当の給付条件の大前提として就職しなければ給付してもらうことはできません。
先ほども言いましたが、自営業は就職ではありませんので、そう考えると再就職手当も支給されないと考えるのが普通ですが、再就職手当に関しては、自営業を始める場合でも支給してもらえる可能性があります。
安定した事業だと認められることが必要
再就職手当を受給してもらう条件の一つに「就職先が1年を超える雇用が確実だと認められること」が挙げられます。
これを自営業の場合で当てはめると「1年以上自営業を継続させることが確実だと認められること」となります。(認められると言うのはハローワークの職員に対してです)
私も自営業をしていますが、1年以上「確実に」自営業を継続させることを証明することはできません。もっと言えば、自営業でどれだけ成功している人でも、1年後にその事業で継続して成功する保証はどこにもありません。
ましては、これから自営業を始めようとしている実績のない無収入の人に、「1年後も頑張って事業しています!!」と納得させるのは少々困難です。
就業手当なら貰える
就業手当は支給条件に1年以上の雇用が確実と言った条件が無いので、条件を満たせば、自営業を始める場合でも支給されると考えられます。
但し、就業手当は再就職手当に比べると支給額が大幅に減るので注意が必要です。
ハローワークの判断によって決定される
再就職手当になるのか就業手当になるのか、はたまたどちらも支給されないのかの判断はハローワーク側にあります。
アルバイトを雇って雇用保険に加入させることを条件にしているハローワークもあるので、どういった条件をクリアできれば再就職手当を支給してもらえるのか事前に確認しておいてください。
もし判定に納得がいかない場合は、雇用保険審査官に対して審査請求をすることも可能です。詳しくは管轄のハローワークに問い合わせてみて下さい。
再就職手当を受給してもらうときに必要なもの
- 再就職手当支給申請書
- 雇用保険受給資格者証
企業に就職した場合は上記の2点があれば基本的に問題ありませんが、自営業の場合は、少なくとも税務署で事業主登録をする際に記入する「開業届」が必要になります。
私は再就職手当を支給してもらってないので何とも言えませんが、恐らくハローワークの職員による面談があると思うので、きちっとした事業計画を言える様にまとめておきましょう。
- 自営業を始めると基本手当は支給されない(準備中も含む)
- 自営業を始めるときに貰える可能性があるのは「再就職手当」か「就業手当」
- 再就職手当か就業手当になるのかはハローワークの判断次第