職業訓練と言えば、国(高齢・障害・求職者雇用支援機構)が実施している「ポリテクセンター」や「ポリテクカレッジ」、各都道府県が実施している「技術専門校」などを想像する人が多いですが、国や都道府県が民間の専門学校や企業に委託して行われる『委託訓練』の存在を知っている人はそう多くありません。
委託訓練のメリット
委託訓練を受講する一番のメリットは訓練内容の豊富さです。
ポリテクセンターや技術専門校など国や都道府県が実施している職業訓練校は、そのほとんどが工業系の訓練コースになるので選択肢が少ないですが、委託訓練だとどんな職種にも対応したコースが柔軟にあるのが一番のメリットと言えるでしょう。
そして、年間を通して募集をかけているので行きたいと思えばいつでも入学できる所も、早く就職活動をしたと思っている失業者の方には最適かもしれません。
あとは、入学試験が書類審査のみのコースが多いので入学ハードルも低いです。
訓練校の探し方は「希望する公共職業訓練校の探し方」を参照して下さい。
委託訓練のデメリット
委託訓練の最大のデメリットが、受講期間が短い所です。
ポリテクセンターや技術専門校であれば最低でも半年、長くて2年間も通うことができますが、委託訓練だと3ヶ月程で修了するので十分なスキルを得る前に卒業してしまう恐れがあります。
そういったこともあってか、ポリテクセンターの就職率が84.8%なのに対して、民間教育訓練機関への委託訓練での就職率は66.8%しかありません。(平成23年度データ)
民間の専門学校に通うなら求職者支援制度
公共職業訓練でも民間の専門学校に通うことは可能ですが、学校やコースのバリエーションで言えば圧倒的に求職者支援制度の方が多いので職業訓練を利用して専門学校に通いたいとお考えの方は、まずは求職者支援制度を利用することを考えた方が良いでしょう。
但し、求職者支援制度を利用するには雇用保険の受給資格が無い方などの条件があるので注意して下さい。
求職者支援制度については「民間企業や学校が実施している「求職者支援訓練」とは?」を参照して下さい。
委託訓練は専門学校だけでは無い
委託訓練は基本的に民間の専門学校に委託されることが多いですが、専門学校の他にも大学や専修学校、一般企業が実施しているコースもあります。
委託先が一般企業の場合は、実習先で評価を受ければ、訓練終了後そのまま社員として雇用してもらうことも可能です。
詳しくは最寄りのハローワークで職員に相談してみて下さい。