日本版デュアルシステムとは、もともとドイツが実施していた職業訓練制度の一つである「デュアルシステム」を日本独自に改良して平成16年より実施されている制度です。(以下、日本版という言葉は省略します)
デュアルシステムには、文部科学省が農業高校や工業高校などで実施しているものと、厚生労働省がフリーターや失業者を対象に実施しているものの2通りありますが、このサイトは失業者を対象にしたサイトになるので、後者の厚生労働省が実施している日本版デュアルシステムについて解説していきます。
デュアルシステムの目的
職業訓練を利用する際は、失業者であれば離職者訓練を受講するのが一般的です。
離職者訓練もデュアルシステムも失業者に対して早期に再就職先が見つかるように再就職の際に必要は技能やスキルを習得させつつ、ハローワークと提携して就職支援も行ってくれる制度という点では同じ目的です。
但し、デュアルシステムの方が離職者訓練に比べるとより就職支援に特化し、尚且つ就職できない「若年者」を対象にしている所です。
ちなみに、若年者と聞けば、「若」という文字が入っているので10代や20代前半を想像する人もいるかもしれませんが、その対象は主に35~40歳未満と広いです。(私も行ける!!)
訓練期間は半年から2年です。
デュアルシステムの特徴
- 実際に仕事をしながら実習できる
- 高い就職率
- 授業料が有料
- 失業手当の延長給付の対象外
※全てのコースで当てはまるとは限りません
1.実際に仕事をしながら実習できる
離職者訓練でも実施されている職場での実習訓練と違って、実際に実習先でスタッフとして働きながらスキルや技能を磨くことができます。
働くと言うことは『給料』が発生するので、勉強しながらお金も貰えて一石二鳥です。
但し、全てのデュアルシステムで適用される訳ではないので注意して下さい。
2.高い就職率
ポリテクカレッジでは、2年コースの専門課程活用型で95.7%、6ヶ月コースの短期課程活用型でも91.4%の就職率を誇っています。(平成25年度)
離職者訓練の場合は、都道府県訓練校で71.6%、ポリテクセンターで84.8%、民間教育訓練機関への委託訓練で66.8%なので、離職者訓練に比べると高い就職率を誇っています。
3.授業料が有料
ここからはデメリットです。
職業訓練と言えば無料で授業が受けれるとお考えの方もいるかもしれませんが、デュアルシステムを利用した訓練は主に1年以上のコースは有料になります。
ちなみに、ポリテクセンターの場合で年間10万円程、ポリテクカレッジの場合で年間40万円程、委託された民間の専門学校だと200万円以上かかることもあります。
4.失業手当の延長給付の対象外
職業訓練を受講して失業手当の延長給付を受ける条件の一つに「現在、仕事をしていないこと(失業中)」が挙げられます。
先ほど①で、実際に仕事をしながら実習できると言いましたが、その際に有期パート就労として訓練を受ける場合は、仕事をしていることになるので失業手当の延長給付の対象外になるので注意して下さい。
詳しくは失業手当の受給申請をしたハローワークの窓口で相談してみて下さい。