ここでは国民健康保険の保険料の算出方法について解説していきます。
まず最初に・・・
これから国民健康保険料の計算仕方を細々と書いていきますが、あなたが住んでいる市区町村の役所の国民健康保険課に問い合わせをすれば保険料がどれぐらいになるのか1~2分で計算してくれるので、自分で計算するのが面倒な人はこの記事を特に見る必要はありません。
1.前年の所得を算出する
まずは保険料のもとになる「前年の所得」を算出します。
前年の所得が分からない場合は、会社を退職時に交付された源泉徴収票、個人事業主などで確定申告をしたことがある方なら確定申告書Aに記載されているので確認して下さい。
2.前年の所得から基礎控除額を引く
前年の所得が分かればそこから基礎控除額の33万を引き算して下さい。その額のことを「基準総所得金額(基準額)」と呼びます。
所得が33万円以下であれば基準額は0円になります。
3.住んでいる市区町村を確認
国民健康保険の保険料は所得が同じでも、住んでいる市区町村によって保険料が異なりますので、自分の住民票を置いている市区町村を確認して下さい。
まー、考えなくても分かりますよね・・・(笑)
4.保険料を算出する
保険料を算出する材料は揃いましたので、ここからは具体的に保険料の算出をしていきます。
保険料の算出方法は各自治体によって異なりますが、ここでは大半の自治体で行われている方法で算出していきます。
3つのカテゴリから保険料は成り立っている
基本的には「医療分」「支援分」「介護分」の3つの保険料を合せた保険料を支払うことになります。
それぞれの詳細は説明しませんが、覚えて欲しいこととして介護分に関しては40歳~64歳までの介護保険第2号被保険者しか該当しませんので、それ以外の被保険者は支払う必要はないです。
保険料の賦課方法
保険料の賦課方法は、これも各自治体によって異なりますが「所得割」「資産割」「均等割」「平等割」の4つの賦課方法があり、3つのカテゴリでそれぞれ計算します。
所得割
所得割は先ほど計算した所得に応じて発生する保険料です。所得が多い人ほど所得割分の保険料は高くなります。
資産割
資産割は持っている土地や家の価値によって保険料が変わります。資産を持っていなければ0円です。
均等割
均等割は所得に関係なく被保険者一人に平等にかかる保険料です。
ですので嫁や子供を扶養としている場合でもそれぞれに均等割分の保険料が発生します。
会社の健康保険の様に扶養が増えても保険料が変わらないといったことがないのが、国民健康保険のデメリットとも言えますね。
平等割
平等割は1世帯辺りにかかる保険料です。
ですので、一人暮らしの場合でも5人暮らしの家庭でも平等割の保険料は同じです。
各自治体により保険料率は異なる
各自治体(市区町村)によって保険料率が異なります。
ネットで「〇〇市 国民健康保険料」などの検索ワードで検索すれば簡単に調べることは可能です。但し、保険料率は毎年変わるので出来れば市や区のホームページから見た方が確実です。
保険料には限度額がある
国民健康保険の保険料には限度額が存在します。
限度額は毎年見直しされていますが、基本的に下がることはありません・・・泣
ちなみに平成26年度は年間67万円(介護保険第2号被保険者は81万円)になります。
例を挙げてみよう
言葉だけズラーッと書いても分かりにくいので例を挙げてみます。
ここでは浪速の街「大阪市」で考えてみましょう。
大阪市の保険料の算出方法はこの様になります。(平成26年度)
【医療分】
所得割 | 8.09% |
---|---|
均等割 | 19,879円 |
平等割 | 32,949円 |
※上限額は51万円
【支援分】
所得割 | 2.79% |
---|---|
均等割 | 7,038円 |
平等割 | 11,665円 |
※上限額は16万円
【介護分】
所得割 | 2.70% |
---|---|
均等割 | 7,975円 |
平等割 | 9,525円 |
※上限額は14万円
1.遊び盛りの若者
【23歳扶養者なし、前年所得:320万円】
医療分
- 所得割:(320万円-33万円)×8.09%
- 均等割:19,879円
- 平等割:32,949円
合計:285,011円
支援分
- 所得割:(320万円-33万円)×2.79%
- 均等割:7,038円
- 平等割:11,665円
合計:98,776円
介護分
合計:0円
年間の保険料
383,787円
1.結婚を夢見るOL
【33歳扶養者なし、前年所得:430万円】
医療分
- 所得割:(430万円-33万円)×8.09%
- 均等割:19,879円
- 平等割:32,949円
合計:374,001円
支援分
- 所得割:(430万円-33万円)×2.79%
- 均等割:7,038円
- 平等割:11,665円
合計:129,466円
介護分
合計:0円
年間の保険料
503,467円
1.一家を支える大黒柱
【54歳扶養者2人、前年所得:500万円】
医療分
- 所得割:(500万円-33万円)×8.09%
- 均等割:19,879円×3人
- 平等割:32,949円
合計:470,389円
支援分
- 所得割:(500万円-33万円)×2.70%
- 均等割:7,038円×3人
- 平等割:11,665円
合計:158,869円
介護分
- 所得割:(500万円-33万円)×2.79%
- 均等割:7,975円×2人(1人は子供なので除外)
- 平等割:9,525円
合計:140,000円(上限)
年間の保険料
769,258円
高くない??
この計算結果を見たほとんどの人がそう思っているでしょう。
私もサラリーマンを辞めて自営業を始める際に、国民健康保険に加入して最初の請求が来たときはその金額を見て腰が砕けそうになりました。
まー、他の自治体に比べて大阪市は税率が高いので他の地域だともうちょっと安くなる可能性の方が高いですが、それでもサラリーマン時代の健康保険料に比べるとかなり割高になります。
保険料を支払うのが困難な場合は、自治体によっては減免制度もあるので支払うことを諦めずにまずは役所に行って相談してみましょう。
所得がゼロでも保険料はゼロにならない
所得がゼロの場合でも均等割と平等割が一律でかかるので保険料がゼロになることはありません。
ただ、保険料の大部分を占める所得割がゼロになるので保険料はかなり安くなるでしょう。
- 国民健康保険料は前年の所得をもとに決められる
- 各自治体によって保険料率が異なる
- 国民健康保険料はとにかく高い!!
- 所得が無くても保険料はかかる