失業者の皆さん、失業保険の「移転費」って聞いたことがありますか?恐らく多くの人が初めて聞く言葉だと思います。
失業保険のメインになるのが基本手当なのは言うまでもありません。
皆さん失業したときは、基本手当を支給してもらう為に失業手当の給付手続きを行ったり、雇用保険受給説明会に参加して求職活動を行います。
しかし、失業保険=基本手当ではありません。
失業保険の中に「就職促進給付」と呼ばれている失業給付に伴う手当が存在します。就職促進給付で有名なのが再就職手当や就業手当ですが、その他に「移転費」があります。
移転費とは?
移転費とは、失業手当の受給資格者がハローワークから紹介を受けた求人に応募して再就職が決定した職業に就いた場合などで引越しが必要と判断された場合に、失業手当から支給される手当のことです。
手当の中には交通費(鉄道賃・船賃・航空賃・車賃)と移転料と着後手当があり、引越し距離などの条件を満たすことで支給されます。
では詳しく説明していきます。
移転費の受給条件
移転費を受給してもらうには、結構な条件をクリアしなければいけません。
- 失業手当の受給資格者
- 待期期間または給付制限が終了している
- ハローワークの紹介による就職(公共職業訓練等を受講)
- ハローワークから就職に伴う引越しが必要と判断された場合
- 再就職先から引越し費用が支給されない(支給された場合でも移転費の額に満たない)
- 再就職先の雇用期間が1年以上見込まれる
失業手当の受給資格者
失業手当の受給資格者でなければいけませんので、当然、失業給付の手続きを事前にして、雇用保険受給説明会を受講しておかなければいけません。
待期期間または給付制限が終了している
失業手当の給付手続きをした際に設けられる7日間の待期期間及び、自己都合による退職の場合に設けられる3カ月間の給付制限が終った後でなければいけません。
ハローワークの紹介による再就職(公共職業訓練等を受講)
ハローワークからの紹介求人でなければいけないので、インターネットなどを利用して自分で再就職先を見つけた場合などでは条件を満たすことはできません。
ハローワークから再就職に伴う引越しが必要と判断された場合
今住んでいる場所から再就職先まで通うことが困難と判断されなければいけません。
- 通勤時間が往復4時間以上かかる
- 再就職先から引越しの指示がある
各ハローワークによって判断基準が異なりますが、上記のいずれかが当てはまる場合は引越しが必要と判断される可能性が高いです。
詳細を知りたい場合は、管轄のハローワークにお問い合わせください。
再就職先から引越し費用が支給されない(支給された場合でも移転費の額に満たない)
再就職先から引越し費用が負担される場合は、二重支給になるので移転費は支給されません。
ただ、支給される場合でも移転費に満たない額の場合は、その差分を支給してもらうことができます。
再就職先の雇用期間が1年以上見込まれる
基本的に正社員雇用が条件になります。
いくら支給されるの?
一番気になる所ですね。
交通費
交通費に関しては、公共交通機関(電車・バス・飛行機・フェリー)を使えば基本的に実費全額支払われます。但し、普通に考えて一番合理的な方法でなければいけません。
車の場合でも、1kmに対して40円程支給されますので、ガソリン代が150円/ℓと考えても、リッター4km程度以上走れば全額支給されると考えていいです。
移転料
移転料は距離に応じて支給額が異なります。
詳細の支給額は私も知りませんが、おおよそ50km未満で9万円程、50km以上100km未満で10万円程、100km以上300km未満で13万円程支給されます。(ネット情報)
※単身の場合は半額になります
着後手当
親族を随伴する場合は4万円程で、親族が随伴しない場合(単身や同棲など)は2万円程になります。(ネット情報)
受給手続きの際にいるもの
- 移転費支給申請書(ハローワーク内にあります)
- 雇用保険受給資格者証(雇用保険受給説明会に参加したときに受け取ります)
提出期限
移転の日の翌日から起算して1ヶ月以内に管轄のハローワークに提出しなければいけません。
再就職しなかった場合
紹介された求人に再就職しなかった場合や、指示された公共職業訓練を受講しなかった場合はその日から10日以内に管轄のハローワークに届け出て、支給された移転費を全額返還しなければいけません。
- 移転費は再就職で引越しする際に支給される手当
- 受給条件は厳しい
- 受給条件を満たせば、基本的に引越し費用が全額負担される