失業中で収入が無ければ、普段の生活費だけで精一杯になりますが、収入が無くても「税金」と「保険料」と「年金」の支払い義務が発生するので、これら全てを支払って更に生活費を捻出するとなると、もうどうにもならないと思っている方も少なくないでしょう。(私もそうでした・・・)
勿論、貯金が十分あって失業中でも生活に困らなければ、税金も保険料も年金も毎月キチンと納めるのが一番なのは言うまでもありませんが、どうしても支払いがキツクくて全てを納付できない場合、支払いの優先順位はどうすれば良いのかを考えていきます。
納付しなければいけない人
失業して無職になっても、全ての人に対して「税金」と「保険料」と「年金」の納付義務が発生するわけではありません。
詳しく説明していきます。
税金
税金と言っても様々ありますが、失業中の皆さんに直接関わってくる税金は「住民税」でしょう。
住民税は後払いで、収入に対する住民税が翌年の6月から開始されるので、今収入が無くても前年に収入があれば納付しなければいけません。
ちなみに、所得税は先払いになるので、失業中の皆さんが納付することがありません。
保険料
会社に勤めているときは社会保険に加入して給料から天引きされるので、納付に関してあまり気にしていなかったかもしれませんが、会社を退職してフリーになると国民健康保険に強制的に加入させられ、保険料も自分で納付しなければいけません。
退職した会社の健康保険を継続して加入することも可能ですが、どちらにせよ、何かしらの公的医療保険に加入して保険料を納付しなければいけません。
ちなみに、保険料は税金と違って前年の収入がゼロでも納付義務が生じます。(家族の被扶養者になれば、納付する必要はありません)
年金
会社に勤めているときは厚生年金に加入して、税金と同じく給料から天引きされるので、気にすることも無かったと思いますが、会社を退職すると国民年金に加入する義務があります。
国民年金は、20歳~60歳まで加入する義務があります(厚生年金など他の年金に加入していない人)。支給される年金を少しでも多くしたい場合は65歳まで延長して加入することも可能です。
国民年金も国民健康保険料と同じく、前年の収入が無くても支払わなければいけません。(免除については下記参照)
滞納するならどれ??
いよいよ本題です。
生活が苦しくなり、住民税と国民健康保険料と国民年金、これら全てを納付することが難しくなった場合、滞納するならどれが良いでしょう。
結論から言えば「国民年金」です。
まず住民税を滞納した場合ですが、住民税はいくら滞納してもいずれは必ず納付しなければいけません。住民税は5年で時効になるから払わなくても良いという意見も拝見しますが、これはあくまで催促状が一切届かない場合であって、一度でも催促状が届けば時効は消滅します。
そして滞納した場合、催促状が一切届かないことはほぼありませんので、遅かれ早かれ住民税は必ず納付する必要があります。
もし、滞納し続ければ財産が差し押さえになることもあるので、住民税の滞納は絶対にしてはいけません。
次に国民健康保険です。
国民健康保険料も加入していれば必ず納付しなければいけませんが、私の周りで個人事業をしている友人も国民健康保険料を納付していない子は沢山います。(全国で約370万世帯が未納)
保険料を滞納すれば、病院の治療費負担(7割)が無くなるので、通常の3倍以上の治療費が発生します。
風邪をひいて病院に行って、診察して薬を処方してもらうだけで1万円近くいくこともあります。
後でキチンと納付すれば払い過ぎたお金が戻ってきますが、そもそも保険料を滞納している時点で生活が厳しいでしょうから、治療費を全額支払うことは困難でしょう・・・
滞納中に絶対に病院に行かなければ、転職してお金に余裕が出来てから納付するのも一つの手ですが、出来れば滞納は避けたいですよね。
ちなみに、滞納したまま就職して社会保険に加入しても、滞納した国民健康保険料の納付義務は続きます。
最後に年金です。
国民年金も対象者は必ず納付しなければいけませんが、滞納者は非常に多いです。
実際に私も会社を退職して個人事業を始めてから最初に1年間は納付していませんでしたからね。事業の収入が上がってきてから後で追納しましたが・・・
国民年金は、住民税や国民健康保険と違って、65歳になったときに年金の支給額が少なくなったり貰えなくなったりするだけで、納付しなくても罰則はありません。(義務はあります)
また、過去10年間であれば、後で追納することも可能なので、今の生活が厳しいのであれば、まずはとりあえず国民年金を滞納しましょう。
分割や免除を考えよう
どうしても支払いが厳しければ滞納するのも仕方ありませんが、滞納することを考える前に、まずは分割や免除してもらえないか考えましょう。
住民税は分割回数を多くして月々の負担を軽くすることもできるし、保険料や年金は条件によって減免・免除することも可能なので、まずは自分の住所を管轄している役所に出向いて職員に相談してください。