ジョブ・カードについては、「就職活動で活用するジョブ・カードとは?」で解説しましたが、ジョブ・カードを利用する本来の目的は職業能力形成プログラム(ジョブ・カード制度)を利用する為です。
ここでは職業能力形成プログラムについて解説していきます。
職業能力形成プログラムとは?
職業能力形成プログラムとは、主にフリーター生活が長かった人や若年者を対象に実施されている職業訓練の一つです。
通常の職業訓練と比べると、座学の他に企業実習(給料あり)がある所が大きな特徴で、実習で良い成績を収めれば訓練実施企業へそのまま就職することも可能です。
職業能力形成プログラムの種類
- 有期実習型訓練
- 実践型人材養成システム
- 若者チャレンジ訓練
- 日本版デュアルシステム
職業能力形成プログラムには4つの訓練が存在します。
①~③は企業が訓練生を直接雇用して訓練を実施する「雇用型訓練」で、④は公共職業能力開発施設や企業が実施する「委託型訓練」になります。
委託型訓練については「公共職業訓練の日本版デュアルシステムとは?」を参照してもらうとして、ここでは雇用型訓練についてもう少し掘り下げて解説していきます。
有期実習型訓練
有期実習型訓練は、これまで正社員経験が少ない人や新規学校卒業者を対象にした訓練で、3~6ヶ月と短期間の訓練でスキルアップを目指します。
具体的な受講条件は、
- 過去5年以内に3年以上続けて正社員として働いたことがない
- 学校を卒業してから3ヶ月以内
年齢制限が無いので、年配の方でもチャレンジ可能です。
実践型人材養成システム
実践型人材養成システムは主に新規学卒者(15歳~45歳)を中心とした養成システムで、訓練期間は6ヶ月~2年と長いのが特徴です。
若者チャレンジ訓練
若者チャレンジ訓練なその名の通り若者(35歳未満)を対象にした訓練で、有期実習型訓練と同様に原則として過去5年以内に3年以上正社員として働いたことが無い人を対象にしています。
訓練の流れ
- ハローワークで職業相談
- ジョブ・カードの作成
- キャリア・コンサルティングの実施
- 訓練求人の選定・応募
- 面接
- 採用
- 訓練の実施
- 評価シートの交付
- 就職
訓練の流れとしては、基本的にどの職業能力形成プログラムでも同じです。
注意点としては、ジョブ・カードを作成してハローワークなどでキャリア・コンサルティングの実施をしなければ訓練を受けることはできないという点ですかね。
後は、訓練を受講したからと言って必ず訓練先の企業へ就職できるとも限らないです。逆に言えば、必ず就職する必要もありませんので、実習で合わないと思えば就職を断ることも可能です。